森昌子 ベスト

森昌子 森昌子 ベスト歌詞
1.せんせい

作詞:阿久悠
作曲:遠藤実

淡い初恋 消えた日は
雨がしとしと 降っていた
傘にかくれて 桟橋で
ひとり見つめて 泣いていた
おさない私が 胸こがし
慕いつづけた ひとの名は
せんせい せんせい―それはせんせい

声を限りに 叫んでも
遠くはなれる 連絡船
白い灯台 絵のように
雨にうたれて 浮んでた
誰にも言えない 悲しみに
胸をいためた ひとの名は
せんせい せんせい―それはせんせい

恋する心の しあわせを
そっと教えた ひとの名は
せんせい せんせい―それはせんせい


2.同級生

作詞:阿久悠
作曲:遠藤実

朝の改札 ぬけた時
何げないように 待っていた
昨日もらった あの手紙
今日は私が あげました
きっといつかは 想い出す
好きでたまらぬ 同級生
小さなうわさたちました
小さなうわさたちました

雨で汚れた 校庭で
彼はボールを追っていた
そっとさし出す ハンカチに
白いほほえみ くれました
きっといつかは 想い出す
好きでたまらぬ 同級生
手をふりながら行きました
手をふりながら行きました

肩をならべて 帰る道
秋の落葉が 降っていた
本の 間に いちょうの葉
ふたりはさんで 行きました
きっといつかは 想い出す
好きでたまらぬ 同級生
明日もまたと云いました
明日もまたと云いました


3.中学三年生

作詞:阿久悠
作曲:遠藤実

別れの季節の 悲しみを
生まれてはじめて 知りました
しるしをつけた カレンダー
もうすぐそこに来ています
蛍の光が歌えない
涙でつまって歌えない
あのひと卒業して行くの
めそめそしていちゃ いけないわ
私も中学三年生

明日からやさしい あの声も
とってもすてきな あの顔も
逢えないなんて 思えない
そこまで春が来てるのに
蛍の光が歌えない
涙でつまって歌えない
あのひと卒業して行くの
さよなら言えなきゃ いけないわ
私も中学三年生

蛍の光が歌えない
涙でつまって歌えない
あのひと卒業して行くの
さよなら言えなきゃ いけないわ
私も中学三年生


4.夕顔の雨

作詞:阿久悠
作曲:遠藤実

夕顔つんだら 雨になる
雨が降ったら また逢える
あのひとよそから来たひとか
小雨の灯台見てたけど
夕顔ひとつ 指につまんで
そっと願いをかけてみました

夕顔咲いてた 雨の道
声をかけられ ふりむいた
名前をきかれたそれだけで
その日は別れて来たけれど
夕顔ひとつ 指につまんで
そっと願いをかけてみました

休みが終われば もう逢えぬ
心を伝えるすべがない
夕顔ひとつ 指につまんで
そっと願いをかけてみました


5.記念樹

作詞:阿久悠
作曲:森田公一

ひゅるひゅると風が吹く校庭に
若い日の記念樹を植えました
あの人もこの人も見つめるうちに
なぜかしらその胸を 熱くする
さよなら初恋 さよならともだち
また逢いましょう この樹の下で
そっとその目で話します
そっと約束かわします

ひゅるひゅると風が舞う校門で
今植えた記念樹を見つめます
指きりをかわしたりサインをしたり
手をふって急ぎ足 帰ります
さよなら初恋 さよならともだち
また逢いましょう この樹の下で
そして別れて行くのです
そしてひとりになるのです


6.おかあさん

作詞:神坂薫
作曲:遠藤実

やせたみたいね おかあさん
ふざけて おぶって 感じたの
泣き虫だったわ ごめんなさいね
明るい娘に なりました
なやみがあったら 私にも
今度は下さい おかあさん

びっくりしたでしょ おかあさん
思わず起こして しまったの
二度とその目が あかないようで
寝顔をみてたら 泣けたのよ
優しく笑った 顔をみて
安心しました おかあさん

感謝してます おかあさん
たまには肩もみ しましょうね
花嫁衣裳を 着るそれまでは
だいじようぶなんて 云わないで
長生きしてね いつまでも
きれいな空です おかあさん


7.あなたを待って三年三月

作詞:阿久悠
作曲:新井利昌

約束した日は もう近い
三年三月に やがてなる
あなたの帰りを 待ちながら
私はきれいに なったのに
おぼろの月なら 雨になる
降ったら 傘さし 迎えに行こう

りんごの花びら 封筒に
はさんで送った 夏のころ
あなたの返事は まだ来ない
心はとどいた はずなのに
夕やけ雲なら 晴れになる
晴れたら きもので 迎えに行こう

指きり くちづけ 何もない
好きだと話した こともない
あなたと何も ないけれど
信じて待っても いいという
こだまが響けば 風になる
吹いたら 顔伏せ 迎えに行こう


8.あの人の船行っちゃった

作詞:山口あかり
作曲:遠藤実

船が出る出る 船が出る
あなたを乗せた 船が出る
リンゴの花咲く 道駆けて
手を振るわたしに 涙雨
恋しいな 恋しいな
海鳴りさんよ 唄ってね
わたしのあの人 行っちゃった

夢が散る散る 夢が散る
淡い光の 灯台に
雨に打たれた 人形が
泣いているよな 影ひとつ
恋しいな 恋しいな
かもめの親子 唄ってね
わたしのあの人 行っちゃった

船が行く行く 船が行く
幾度も手紙 よみました
いつかはわたしの この胸に
錨を降ろすと かいてある
恋しいな 恋しいな
北風さんよ 唄ってね
わたしのあの人 行っちゃった


9.なみだの桟橋

作詞:杉紀彦
作曲:市川昭介

どこへ行くとも 言わないで
夜明けあの人 舟の上
雨のデッキに眼をこらしても
溢れる泪で何にも見えない――
わけをきかせて下さいと
叫ぶこの声銅鑼(どら)が消す
行かないで 行かないで
行かないで――

寒さ間近の 波しぶき
夜明け桟橋 雨しぶき
こんな時間に出て行く船に
あの人希望をかけたのだろうか――
だけど私はどうするの
何もおしえず行くなんて
行かないで 行かないで
行かないで――

ぼくの故郷は 君の胸
いつもあの人 言っていた
いつか夜明けに帰って来ると
一言きければこんなに泣かない――
私いつまで待ちますと
船につたえる束の間を
行かないで 行かないで
行かないで――


10.父娘草

作詞:山口あかり
作曲:八角朋子・馬飼野俊一

あなたの背中の 揺り籠は
暖かかったわ 幼い日
夢をなくして 路地裏を
足を引きずり 帰るとき
なつかしかった お父さん
あなたのふところ 旅立って
わたしも十九に なりました
いばってみせても 淋しがり
花嫁姿に 泣くでしょうか

別れの朝は 停車場で
わざとはしゃいで 目をそらす
世間の風を 受け止めて
あなたがくれた 安らぎは
忘れはしない お父さん
あなたのふところ 旅立って
わたしも十九に なりました
母さん愛して てれている
あなたの笑顔が 浮かびます

お酒を飲めば 「枯れすすき」
しみじみ聞かせる しぶいのど
わたしが愛した 人のこと
分っていたよと うなずいて
遠い目をした お父さん
あなたのふところ旅立って
わたしも十九に なりました
言葉じゃないのね 父娘(おやこ)って
郷里(ふるさと)みたいに 偲びます


11.彼岸花

作詞:阿久悠
作曲:出門英

彼岸花咲けば 秋深く
女が日暮れに 泣くのです
影法師踏んで まわり道
あゝ想い出たずねて歩きます
歩きます
夕映えに消えて 一年二年
そして三年 あきらめましょう
嫁入り話の出る秋には
女は顔を 女は顔をそむけます
アアア………

鰯雲流れ 夜が来て
女が化粧を するのです
手鏡の中に 月が出て
あゝ心がきりきり痛みます
痛みます
夕映えに消えて 一年二年
そして三年 あきらめましょう
やさしいぬくもりない冬には
女は胸を 女は胸を抱くのです

夕映えに消えて 一年二年
そして三年 あきらめましょう
やさしいぬくもりない冬には
女は胸を 女は胸を抱くのです
アアア………


12.ためいき橋

作詞:杉紀彦
作曲:市川昭介

白い手紙 びりびり引き裂いて
橋の上から 散らしたら
季節はずれの 雪になる
逢うたびに 逢うたびに
骨も折れよと 私を抱いた
優しい腕が あつい吐息が
この身をしめつける あゝゝ……
信じたくない 信じない

白い手紙 はらはら舞いおちて
川の流れに 消えたのに
愛のなごりが 渦をまく
北の風 暗い空
涙凍れと ぬぐいもしない
日暮れの橋は ためいきの橋
こころが寒すぎる あゝゝ……
信じたくない 信じない

北の風 暗い空
涙凍れと ぬぐいもしない
日暮れの橋は ためいきの橋
こころが寒すぎる あゝゝ……
信じたくない 信じない


13.波止場通りなみだ町

作詞:西沢爽
作曲:遠藤実

女は頬杖ついていた
窓に港の霧が降る 霧の彼方を船が出る
あゝ またしあわせが逃げちゃった
波止場通りはなみだ町
涙ひとすじ糸をひく

女は演歌を口ずさむ
夕べ男が唄ってた 歌と気がつき爪をかむ
あゝ またしあわせが逃げちゃった
波止場通りはおんな町
未練ごころの弾き語り

女は煙草に火をつける
マッチ一本燃え尽きる 燃えてはかない運命でも
あゝ またしあわせが逃げちゃった
波止場通りは別れ町
生きてりゃいいことあるでしょう


14.北寒港

作詞:さいとう大三
作曲:浜圭介

泣いてみようか 笑おうか
それとも 死んでしまいましょうか
どうせ 拭いてしまうのだから
涙なんかは 流さない
淋しいけれど 悲しいけれど
あなた乗る乗る 船に乗る
わたしはこころ 凍らせる

船を見ようか 帰ろうか
それとも 誰かにすがりましょうか
どうせ 涙止まらないから
お化粧なんかは 直さない
くやしいけれど むなしいけれど
あなた出る出る 旅に出る
わたしは鴎 見つめてる

酔ってみようか 唄おうか
それとも 想い出数えましょうか
どうせ ひとり泣くだけだから
家になんかは 帰らない
恋しいけれど 未練だけれど
あなた行く行く 西へ行く
わたしは寒い 夜に哭く


15.哀しみ本線日本海

作詞:荒木とよひさ
作曲:浜圭介

何処へ帰るの 海鳥たちよ
シベリアおろしの 北の海
私には 戻る 胸もない
戻る 戻る 胸もない
もしも死んだら あなた
あなた泣いてくれますか
寒い こころ 寒い
哀しみ本線 日本海

細い汽笛が こころに刺さる
星屑ばかりの 北の空
涙さえ 凍る こんな夜
吠える 風に ふるえてる
胸の痛みを あなた
あなた聞いてくれますか
寒い こころ 寒い
哀しみ本線 日本海

入り江沿(づた)いに 灯りがゆれる
名前も知らない 北の町
凍りつく指に 息をかけ
旅の重さ 筆(ペン)をとる
綴る便りを あなた
あなた読んでくれますか
寒い こころ 寒い
哀しみ本線 日本海


16.立待岬

作詞:吉田旺
作曲:浜圭介

北の岬に 咲く浜茄子(はまなす)の
花は紅(くれない) 未練の色よ
夢を追いかけ この海越えた
あなた恋しと 背伸びする

待って待って 待ちわびて
立待岬の 花になろうと
あなたあなた 待ちます
この命 涸れ果てるまで

霧笛かすめて 飛び交(か)う海猫(ごめ)よ
もらい泣きする 情があれば
北のおんなの 一途(いちず)なおもい
どうかつたえて あのひとに

哭いて 哭いて 泣きぬれて
立待岬の 石になっても
悔いは悔いは しません
ひとすじの この恋かけて

待って待って 待ちわびて
立待岬の 花になろうと
あなたあなた 待ちます
この命 涸れ果てるまで


17.越冬つばめ

作詞:石原信一
作曲:篠原義彦

娘盛(さか)りを 無駄にするなと
時雨(しぐれ)の宿で 背を向ける人
報われないと 知りつつ抱かれ
飛び立つ鳥を 見送る私
季節そむいた 冬のつばめよ
吹雪に打たれりゃ寒かろに
ヒュルリ ヒュルリララ
ついておいでと 啼(な)いてます
ヒュルリ ヒュルリララ
ききわけのない 女です

絵に描(か)いたよな 幸せなんて
爪の先ほども 望んでません
からめた小指 互いに噛めば
あなたと痛み 分けあえますか
燃えて燃えつき 冬のつばめよ
なきがらになるなら それもいい
ヒュルリ ヒュルリララ
忘れてしまえと 啼(な)いてます
ヒュルリ ヒュルリララ
古い恋ですか 女です

ヒュルリ ヒュルリララ
ついておいでと 啼(な)いてます
ヒュルリ ヒュルリララ
ききわけのない 女です


18.涙雪

作詞:秋元康
作曲:芹澤廣明

今まで愛した誰よりも
あなたを愛していたみたい
うまくはいかない恋と
みんなに言われていたけど

夜がもう近づいて
二人をせかせるわ
あゝ…さよならの
白い息が とても寒いわ あなた

愛の終わり 切れぬ想い
そっと心に隠してたの
涙雪が落ちてきたわ
私のかわりに泣いている

これから誰かを愛しても
これ以上愛せはしないでしょう
別れを選んだ恋が
私を臆病にするわ

何ももう言わないで
思い出作らないで
あゝ…悲しみの
長い影が ひとつ消えてく あなた

愛の終わり 切れぬ想い
そっと心に隠してたの
涙雪が落ちてきたわ
私のかわりに泣いている


19.愛傷歌

作詞:石本美由起
作曲:三木たかし

命がいつか 終るよに
別れがくるのね 愛しても
思い出だけの 人生は
どうして生きれば いいのやら
秋が来て 別れの時を知る
これがさだめなら
死ぬより 悲しいわ
戻ってきてと 呼びかける
私の願いの むなしさよ

コートの襟を 立てながら
落葉の向うに 去った人
ひとりの部屋に 残された
涙はあなたの 贈りもの
幸せの季節は どこへやら
すがる胸もない
死ぬより 悲しいわ
私の愛の ぬくもりを
あなたにつたえる すべもない

眼をとじて 寝るにも眠れない
人の恋しさよ
死ぬより 悲しいわ
お酒に酔って こんな夜は
こころの傷跡 いやしたい


20.雛ものがたり

作詞:石原信一
作曲:篠原義彦

今年の春の雛人形は
も少し飾っておきましょう
「お嫁に行く日が遠くなるよ」と
母の小言が聞きたくて
すみません 恋をしました
隠し事などせぬように
育てた娘が嘘までついて
おろかでしょうか 女でしょうか
あなたも昔 命をたくし……
そしてわたしが 生まれたのです

東の風が雛段渡り
桃の薫りを運びます
季節(とき)よ止まれと瞼閉じても
花は移(うつ)ろいゆくでしょう
ありがとう 倖せでした
陽だまりみたいなふところで
まだまだ遊んでいたいけど
喜びますか 悲しみますか
あなたがくれた 命を燃やし……
愛の暦をたどるのです

似てるでしょうか 似ていませんか
あなたの恋とわたしの恋は
似てるでしょうか 似ていませんか
あなたの恋とわたしの恋は

雛人形をもらってまいります